serial numberのserial number

まだまだ先と思っていたら、
稽古は開始し、優先予約が始まり終わり、
そして今週末からは、一般前売り開始です。

わたしたちの大切な旗揚げ公演は、
田島さんが活動休止中に行った稽古場発表会で創った
3つのふたり芝居を連続上演します。

通常の劇場で行うつもりで準備していたのですが、
劇場ではない場所で、
しかも予算もないので、
その公演にそのまま使えるそんな場所を
必死で探してやった公演、
その場所にあわせて書いた物語なので、
とくに3演目めの「ROBOTA」を劇場の暗がりに
押し込めるのはかわいそうだなあ、と
思い切りがつかず、
またも探し回って、コレだ、と言う会場を探しだしました。
清澄白河にある元倉庫のイベントスペースです。
そこを、3つの演目が空間を変えながら連続上演します。
最初は、同じセットで一日で3演目見られる日、とか
やろうと思っていたのですが、
それもちょっと違うと思って、
演目ごとのデザインを杉山至さんにお願いしました。
ちゃんと雛段の階段席も作って、
いわゆるギャラリー公演とはまったく違う
劇場外公演です。
企画モノと思っている方がいると困るので、
もういちどいいます。
ホンキ、ホンキの旗揚げ公演、それがこの、
「serial numberのserial number」です。

3つの作品はまったくタイプが違います。
将棋をテーマに、
語りと会話で10数年の年月を走り抜ける
「next move」
解離性人格障害の青年とその担当となった医師の会話で、
ひとりの精神科医の死の秘密が暴かれていく
「nersery」
そして、失踪したロボット開発者の兄と
行方を追ってきた弟との会話で綴る
「ROBOTA」

これを詩森的な意味で解説すると、
「penalty killing」将棋バージョンともいうべき
最近の詩森の粋を結集した「next move」
本格ミステリマニアの詩森がマニアだからこそ
ぜったいに手を出さなかったミステリに挑み、
自分のなかに蓄積したミステリの血を確認した
「nersery」
ずっと詩森作品を観てきた方に、そうそう
詩森作品で観たいのはコレ、と思っていただける
「ROBOTA」
となっています。

田島さん的な意味で言うなら・・・。

青春、友情、才能との葛藤。
田島×少年ジャンプな「next move」
初演のときは、佐野さん演じる「しゅうちゃん」と
田島さん演じる「大地くん」が好きすぎて、
いつまでも終わってほしくないなー、と思ったほど。
書きあがったときの読み合わせでは俳優ふたりが
涙で詰まって読み続けられなくなり、
たった6回の公演、リピーター続出した
伝説の作品でもあります。

天使の如き青年ルディと、
反抗的で男っぽいエリック、解離性人格障害の二役を
演じるのが「nersery」
この点だけで田島さんのファン得な公演。
そして精神科医的な役を彼よりできるひとがいるとは思えない、
酒巻誉洋くんの当たり役でもあります。思い返しても素晴らしい。
あと、本チラシで明らかになりましたが、
ワークショップ公演のときもやった超短編。
「nersery」前日譚にあたる
「secret of nersery」をオマケ上演することにしました。
これは、詩森が出演します。わたしの俳優姿はおそらく
また今後10年くらいありません。
相手役は、杉木隆幸さんと佐野功くんが日替わりで演じてくれます。

そしてもう稽古が始まっている「ROBOTA」
田島さんにとっては俳優としての転換点ともなった作品です。
ひととやりとりし、ひとと演じる。
わたしが演劇でいちばん大切にしていることを、
俳優ふたりが具現化してくれます。
これも杉木さんの超当たり役。
というかふたり芝居なので、思う存分書けるんですね。
内容も含めてとても大好きな作品です。
重要なトピックスとしては、
7月11日に、とある世界的ロボット開発者が、
この方、芝居なんて観なくていいからトークだけ観たい、
という方が出る可能性があるくらいの方ですが、
ご登壇いただける予定です。
お名前出して告知していいか確認とれた時点でまたちゃんと
発表致します。

初演を観た数少ないお客さまの殆どが通し券、
もしくはパスポート!!(思っていたのの数倍購入していただき、
驚き嬉しく思っています)で、
ほとんど単独券が出ていないという状況です。

通し券に関しては、いろいろ検討の結果、
お席に余裕がある限り変更承ることに致しましたので、
いまから予約しても安心です。

初夏の清澄白河で、
みなさまとお会いできること、楽しみにしています。

38度線

先日、日韓交流事業の一環として韓国に行ってきました。
拙作「insider」を韓国の演出家、そして韓国の俳優たち、
もちろん韓国語で上演してもらったのです。
とても小さな会を想像していったのだけれど、
シアタートラムくらいの規模の、
歴史あるとてもステキな劇場で、
満員のお客さまの前で、
それはそれは素晴らしい上演でした。
この小柄な女性が、演出のチェ・ジナさん。

韓国は現在、me too運動が盛んにおこなわれていて、
演劇界もその例に漏れず、大物の演出家が告発され、
劇団が解散したりして、激震しています。
わたしたちの上演があったその日、
有名な俳優さんが告発され、
自殺されたということで(それはあとで知りれました)
なぜ加治さんが自殺したのか、
という質問をたくさんの方からいただきました。
通訳の方を通じての話だったので、
どこまで伝わったか、
またわたしが先方の言うことを理解できたのか、
いささかココロモトありません。

そのことも書きたいのだけど、
唯一、半日空いた日に、38度線まで行ってきた、
その話を書こうと思います。
韓国と北朝鮮のあいだにある、
軍事境界線上の場所としては、
板門店が有名だけれど、
ツアーでないと行けないし、
もし命になにごとかあったとしても保障できません、
というサインをして参加しなければならないらしく、
国からのお金でご招待されて行っている身としては、
いささか軽率な行動となりかねません。
でも韓国ツアーに自費で同行していた田島さんが、
→そういう彼の行動力はホントに凄い。
38度線、行けるんじゃないかな、というので
調べてみると、確かに韓国のひとも行ける観光地
(板門店ツアーは韓国のひとは行けない。)
烏頭山(オドゥサン)統一展望台というのがありました。
ソウルから小一時間。
展望台に2時間かかっても十分戻れると判断し、
出かけることにしました。

展望台のふもとまでは、
ソウルから高速バスで行きました。
高速道路を走りますが、路線バスです。

高速は、国境沿いを走ります。

よくわからないと思いますが、画面の左のほうに写っているのが
見張り小屋です。迷彩色が塗られています。
そういう場所をフツーに車が走っています。
同一民族が政治的主張の違いによって分かたれた場所。
それを目の当たりにしました。

展望台のふもとの駅で降りて、
そこからは無料のシャトルバスに乗ります。
展望台からの景色は絶景です。
イムジン河と漢川がぶつかる場所。
北朝鮮は目視できます。
直線距離で2キロあまりなのだそうです。

わたしが子供のころ、ドイツは東西に分かれ、
ベトナムは南北に分かれていました。
政治的スタンス(経済システム)の違いで
同じ国がふたつに分かれていることが、
フツウのことと思って育ちました。
その理不尽さ、割り切れなさを知るのは、
もっと大人になってからです。
日韓併合という言葉も、テストで点数を取るための
暗記項目に過ぎませんでした。

当時の朝鮮半島は日本の植民地でした。
朝鮮半島が南北に分断された直接の原因は、
太平洋戦争終了時に、
ソ連が、領土を少しでも広げようと侵攻してきたからで、
戦争で負けた日本はなにもできませんでした。
日本が統治していなかったら、
すべてがソ連領になっていたという説もありますが、
それもタラレバの話。
朝鮮半島のひとたちにしてみれば、
自分たちではどうにもできないところで、
そんな大きなことが動き、決まってしまった。
そしてそれは今もって解決していない。
その理不尽さを日本人として目撃している自分。
引き裂かれるような感覚を、忘れないくらいしかできない、
そう思いました。

これは、写真を撮ってもらったものの、
どう撮られたものかわからず、
ボンヤリした顔のわたしですが、
見ていただきたいのは、わたしではなくてこの望遠鏡です。
この望遠鏡で、かなりありありと対岸の景色を見ることができます。
それが観光になりえるんだ・・・とまた複雑な気持ちになりましたが、
ソウルに帰ってきて、通訳のジュリさんにお聞きすると、
北から来て帰ることのできないひとたちが、
せめて望遠鏡で故郷を見る、そんな意味もあるんだ、
と教えてくれました。
自分の未明というものはどこまでもどこまでもついてきます。
恥ずかしいです。

わたしには、
「記憶、或いは辺境」
そして、演出で関わった
「国語の時間」
という2本の日韓についての演劇があります。
調べても調べてもわからないことはたくさんある。
こうやって身を運び、体験することでしかわたし程度の
想像力では補えないことばかりです。
いくつになってもそのことだけはさぼらないようにしなくては。

改めて。

蘇る青春

シリアルナンバーとしての始動は、
6月なのは既報のとおりですが、
その前に、このお芝居をやっております。
そう。シェイクスピア。夏の夜の夢。
昨年ご一緒した陽だまり座の皆さんとタッグ再び。

しかしー。とうぜんだけどタイヘンです。
セリフをそうとうカットさせていただいて、
それでもやっぱりタイヘンです。
いやほんと。タイヘンです、しか出てこない。

年明け以降の土日をすべてこの稽古に捧げているのですが、
半日ギッシリかけた稽古が終了するころには
マジでグッタリ。
稽古大好きを公言し、
稽古してる分には疲れを知らないわたしが、
口を聞けないほどの疲弊感。

演技を実際にやってみせないことでは、
人後におちないわたしですが、
やって見せないことにはどうにもできない。
田島さんがオーベロン役で出演してくれてるので
田島さんを相手役に、
昨日は、
妖精王オーベロンと女王ティターニアが
魔法を掛け合うというシーンや
ヘレナがディミトリアスに
「わたしはあなたのスパニエルよ。」
と叫びながら、四つん這いになり、尻尾を振るシーンを
熱演。
(そんなシーンあったっけ?という質問は
断じて受け付けませんよ。)
妖精パックも妖精も職人も、
この際、ぜんぶやってみせます。
やらないと進まないのです。

結果、グッタリ。

(余談ですが、「おとうふコーヒー」の現場では、
青木さん、かなりやってみせてました。
しかもそれが超巧い。)

そんななかにも楽しいことはたくさん。

夏の夜の夢といえばなんといっても恋、
恋、それは青春。

セリフが入ると同時に恋への情熱を思い出してくれたらしく
ここのところの稽古でついに
熱いエネルギーが稽古場に溢れ始めました。
捧腹絶倒のシーンもあります。
まだぜんぜんそこに到達できず、スーンとしちゃうシーンも
あります。
本番へのデットヒートです。笑。
しかしですね。化けたときの凄さが妖怪なみなのは
この年代、しかも演技体験の少ないひとたちの
醍醐味なのは、言わずともわかってますよね。みなさん!!

そして、田島さんが、
オーベロン役として通し出演致します。
(芝居は3チームあります。トリプル・キャスト
その3チームすべてに出演します。)
ムダにカッコいい。
いや。カッコよくていい。
なぜならオーベロンだから。
歌い、踊り、なぜかひとりだけほとんどセリフを
カットしてもらえない田島さんを堪能できる作りと
なっております。
田島さんの二枚目はserial numberではしばらく封印なので、
この機会にぜひご堪能ください。

ご予約方法などは、メールマガジン
「最速シリアルナンバー」でお知らせしますね。
少々お待ちくださいませ。

オールドルーキーでさえなくても

韓国でのinsiderリーディングのこととか、
いろいろ書きたいことはあるのですが、
まずはこのことを。
芸術選奨 文部科学大臣賞 新人賞 というのをいただきました。

この時期は昨年一年の活動に関しての賞が発表される時期で、
昨年に引き続き
鶴屋南北戯曲賞の最終候補に選んでいただいたりはありましたが、
なんとなくひと段落。
そんなタイミングで考えもしてなかった賞をいただき、
ほんとうにビックリしました。

3月8日の情報発表までは、
他に誰が選ばれたかも知りませんでしたので、
発表を見て、
自分の場違いさに改めて恥ずかしくなってしまいました。
そんななか、利賀村で参加した、
若い演劇人たちを集めてのアートマネジメントの勉強会で、
平田オリザさん、安田雅弘さんとともに、
惜しげもなくすべてを教えてくれた宮城聰さんが
文部科学大臣賞ということで、
いっしょに受賞させていただいたことは
嬉しいできごとでした。

これも支えてくれた俳優たち、
最強のスタッフたち、
そしてなによりお客さまのおかげです。
ほんとうにありがとうございました。

選考理由にありましたように、
「アンネの日」そのほかの成果、でいただきました。
製作母体となってくださった
三鷹市芸術センターにも大きな感謝を。
また選評で言及していただいた
「海の凹凸」の俳優座さんにも改めて。

わたしは、長いこと無名も無名でした。
早咲きの才能が多い演劇界で、
明らかに天才ではなく、
たいした評価もされず、
お金の苦労だけはものすごくしながら、
演劇を続けてきました。

強みがなにかあるとしたら、
ずっと演劇以外の手段で口に糊してきたので、
わりとしっかりビジネスの現場を体験していること。
ダブルワークで
まったく向いてないホステスをやって
劇団の借金を返していたこと。
そういう一見演劇人としてはムダな、
人生の体験値です。
それから、演劇を、とにかく演劇を
さぼらず観てきたこと。
知らないあいだに身体に溜まった演劇知は、
わたしの財産です。

大好きな竹原ピストルさんの歌に、
「オールドルーキー」というのがありますが、
その言葉で思い起こすのは、
それでも30代くらいなのかなと思います。
なので「オールドルーキー」という言葉すら
もう似合わないわたしですが、
創りつづけられる喜びを大切に、
丁寧に演劇を創っていければと思います。

写真は、授賞式に参加してくださった俳優座の岩崎加根子さん。
そして相方の田島亮くん。
3名しか列席できない授賞式にはあと三鷹の森元さんが参加して
見守ってくださいました。
そしてお着物は、着付の同期が着付けてくれました。
会場のホテルになぜか着付師ふたりを連れて乗り込んだという。
大物か。笑。
でも、今までは先輩にお願いしていた着付を、
なんの心配もなく同期にお願いします、と言えて
素敵に着付けてもらい、それも嬉しい授賞式でした。

ほんとうにありがとうございました。

器とか

台所のものだけは、わりと
いいものを使っています。
鍋も細々した調理器具も時間をかけて探したので、
もしダメになっても同じものを買うと思います。

そんななか、増やしすぎたくはないけど、
やはり器はとくべつだなと思います。
小道具とかだと100円均一のものとか使うけど、
あれはいやなものね。
なので、ひとに頼むときは贅沢言いませんが、
自分で小道具をやるときは、
リサイクルをマメに探します。

そして自分が使っているものは、
何年もかけてコツコツ集めたものです。
好みが変わっていくので、
いまとなっては、これどうかな、とか、
超気にいって買ったけどそういえば使ってないね、
とかあります。

ずっと粉引きのものが好きだったけど、
最近は、茶色くて武骨なカンジの食器、
欲しいなー、と思っています。
前はツルンとしたのが好きだったけど、
しのぎのものに夢中だったりなど。
昔から興味がなくて、
いまもって興味がないのは藍染の食器。
ひとつ気に入ったものとか手にいれると
たくさん買いだしそうな気がしますけどね。

いまいちばん愛しているのは、
このマグです。
しのぎっていうのは、こういう陶器の表面が、
削られたもの。
元は刀剣とかの高くなってる部分のことらしいです。
しのぎを削るっていうのは、そこが削れるほど
激しい戦いのことなんですって。いま調べました。
いっしょに買ったグラタン皿は、
いま現在、オーブンがないのと、
グラタン作ってまで食べたくないので、
あまり活躍してないです。

それまで最愛だったこのマグは、

すっかり出番がなくなりました。
ポイントは大きさと持ち手。
持ち手の開きが小さくて持ちづらいんです。このコは。

いま毎日のように出番があるといえば、

このお皿だと思います。
かの有名な、ほぼ日の、例の、
「ほんとにだいじなカレー皿」です。
とにかく毎日使いますね。
カレーはもちろん、サラダも、パスタも、
おかずもすべてこればかり。
そんなね。ミーハーか、ってカンジですが、
いいものはいいんだよね。いいものは、いい。

最新版は、これです。

沖縄で廃校でやっているアートフェスに行き、
そこで遭遇しました。
最初の画像がその展示風景。
そしてコレがポトフを盛ってみたところ。
沖縄でしたが、まあまあな値段でしたが、
一瞬で決意して買いました。
問題は器としての完成度が高すぎて、
なかなか使用できないことです。
なにが合うのかな。
いや。カレーは合うと思うんですが、
色がつきそうで二の足を踏んでいます。
わたしが思うに、同じポトフでも、
もっとゴロっと野菜を煮て、
大きいのがドンドン、みたいに盛ると
合うと思うんですが、
グズグスになるまで煮込んだキャベツ、
諦められないですよね。
意外にハンバーグとかいいかもしれないなー。
ハンバーグとか、ステーキとか。
深いんですけどね。カーブが。
でもそういうオシャレな料理が合いそうですね。

以上、どうでもいい器のエントリーでした。
そのうち、おたまとか、皮むき器とかの記事を書きます。