神話と夜の果てには

稽古が佳境です。
佳境ですが、淡々と。
俳優をベストの状態に、と話し合い
連休が入ったり、
稽古もいちおう18時までとなっているのですが、
あまりに集中して稽古しているので、
むしろほぼ毎日早めに終わっています。
毎日細かく返して、通しも何回も。
稽古場にずっといらっしゃるスタッフさんたちも
素晴らしく、
みんなで舞台を作っているという実感が、
こんなにある舞台もなかなかないなと思います。

正直に言うと、稽古に入るまで、
戯曲について自信がありませんでした。
アクティブじゃないし、
娯楽性も極端に少ない。
難解とまでは言いませんが、
現実と幻覚、事実と虚構
その境目が曖昧で、
脳の神経の迷宮が物語になってしまったような作品なのです。
わたしのマニアックな好みド真ん中ではあるのですが
それもまた不安材料でした。

チャーミングで愛された「アンネの日」のあとに
なんでこういう芝居を書いちゃったんだろう、と
と心のどこかで思ってました。
今回のにくらべたら「スローターハウス」の
ほうがまだしも親しみやすい顔をしている。
おそらく同時進行で進めている別な仕事の影響もあるだろう。
→エンタメとして優れているのがマストのお仕事なので。

俳優が素晴らしいのは読みのときから感じていましたが、
立ち始めて、
なにが起こっているのかな、と思いました。
誰もあたりまえにホンなんて持ってないのは
ありがたいことに、
うちのお芝居では最近ほとんどそうなのですが、
ひとりひとりの俳優の
愛らしさと切なさが、
ちょっとただごとではありません。

この物語で、この役で?
と書いたわたしが唖然としています。
物語の輪郭がクッキリと現れ、
膨大なモノローグがあるにも関わらず、
関係が濃く立ち上がっています。

1回目の通しで明日本番でも大丈夫だな、
と思い、
でも宗教的ないろいろが嘘だと思います、
と言い、
2回目の通しでぐっと当事者性が増し、
3回目の通しでなんだかまとめに入っちゃったな
と思いそれを言い
4回目の昨日、
ここが稽古場だなんて信じられないな、
というものが立ち上がりました。
厳しいうちのスタッフさんたちが
「ハイクオリティだね」と言ってくれるので
わたしだけがそう思ってるわけではないみたいです。

わかりづらいところも難解なところも
たぶんありません。
え。この戯曲で?と自分でも思いますが、
現代を生きるわたしたちの物語になりました
ぜひ見ていただきたいです、と
お伝えしたいです。

自分の内臓が痛くなるような、
登場人物をひとりひとり抱きしめたくなるような
客席と舞台が共振するような舞台を
お見せできるのではないかと思っています。

どの日もまだまだお席はございます。
20代の俳優ふたりがほんとうに素晴らしいので、
若い俳優にもぜひ見ていただきたい。
Ù25チケットございます。

あと。初出ですが、
serial number今後あるかないかわからない
オーディションがあります。
男性キャストのみなのですが。
1月スズナリ。
なのでこの舞台はぜひ見ておいていただければなー、
とも思っております。

心からお待ちしております。

詩森ろば
serial number(風琴工房改め)の劇作家・演出家です。

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