スローターハウス、無事終わりました。
連日満席というのはほんとにありがたく、
また原くんが出てくれているので、
お客様に若い方が多く、
それは今回のような作品を見ていただきたいけど、
なかなか出会えない層の方々で、
その方たちがとても真剣に見てくださって、
素敵な客席を創ってくださいました。
ほんとうにありがとうございました。
いろんな意味で助けていただいた那須さん、
そして津村さんは、
高い演劇知と人間力で、
稽古場と、お芝居を創り上げてくださいました。
那須さんはテキストにもたくさん関わってくれました。
そして演出のアイデアも。
なかでも素晴らしかったのは、
絵を車椅子に置く、というアイデアです。
わたしはイーゼルにしようと思ってたんですが、
車椅子がいいんじゃない、と言われて、
いちもにもなくそれだ、と思いました。
あの後半の象徴ともいうべき強いビジュアルは、
だからわたしの発案ではないのです。
そして津村さんは、演劇好きな方ならわかりますよね。
あんな難しい役をあんなさらりと、できるなんて。
どれだけ助けられたかわかりません。
今回が初タッグの新垣くんは、
ただもんじゃないな、という印象のまま、
最後までただものではありませんでした。
直樹でしかなかった。
ここさ。こうしようと思うんだけど。
と言うと、
ぼくもそう思ってました。
と何度も返ってきました。
反対に彼から提案してもらったことも
たくさんありました。
ぼくもそう思ってました、と言われると、
間違ってないな、と思える俳優さんで、
いい相棒だなと勝手に思ってました。
「ローゼンでシール買おうね」という
たったひとつの言葉を、
「ぜんぶのこころがそこにあった」という
佐恵子さんの言葉を証明するように、
その日のその芝居にいちばん相応しいトーンで出してくれました。
優しかったり、厳しかったり、ちょっと怒っていたり。
そのたびわかるよ。直樹、と思ってました。
原くんとは、
信じあってお仕事できたと思います。
わからないことをわかったふりしない彼と、
どれだけ話したかよく覚えていません。
ほんとにずっと話してました。
「ろばさん、ちょっといいですか」と言われて、
10分休憩も稽古後も、
ただただただただ話しました。
正直少し休みたいと思うくらい話しました。
解釈の話はもちろんですが、
彼がテキストをこう直したいというのを、
それはいいね、と直したり、
いやそれは違うと言って
ほんのちょっとだけ険悪になったり、
とにかくずっと話していました。
そして、稽古の大詰め、稽古場に、
あ。これは前島だな、というひとがやってきて、
そこからはすごく端的なオーダーだけになりました。
言うとすぐ理解してくれる。
なぜなら原くんではなくて前島だから(笑)
わたしのほうなんて見向きもしなくなった。
素敵な旅立ちでした。
本番は、原くんが深い大人の俳優になっていく姿を
目撃させてもらいました。
美しかったな。
原くん以外とも、ほんとによく話しました。
立ってるより話してるほうが長かったかもしれません。
話して、納得して、
立ち上がると必ず先に進んでくれる、
とても素敵な座組でした。
そして、まもなく次の稽古が始まります。
書き上げて、リライトして、またリライトして、
今度は俳優と読んでまたブラッシュアップします。
どんな座組になるのでしょうか。
ホテル・イミグレーション
というのは、
ものすごい皮肉を込めてつけたタイトルです。
あそこがホテルなんかであるはずがないからです。
その過酷さ。その実態。
イミグレーション・ジェイルというべきものです。
調べていくなかで、
ほんとになにもしらなかったんだな、と思いました。
その罪深さに打ちのめされました。
日本のイミグレで起こっている問題は、
わたしたちの抱える問題、それに伴う息苦しさが
マグマのように表出しているのだと気づきました。
外国人に起こった理不尽な問題、とだけ捉えず、
わたしの問題として、作ることができればと思っています。
何度かやらせていただいたことのある俳優や、
わたしの戯曲に出ていただいたこはあるけど
演出の現場ははじめての俳優もいて、
まったくのはじめましての方もいます。
プライベートで仲良くしてもらってるけど、
あれ、いっしょにやるの初めてだよね、
という方もいます。
ちょっと緊張しますが、
どんな化学反応が起こるか、
楽しみではあります。
そのほか、もうひとつ大切なお仕事をしていますが、
それはまた、今度お知らせします。
ありがとうございました。
そしてよろしくお願いいたします。