「hedge1-2-3」
終演のご挨拶もできないうちに夏が過ぎ去り、
まもなく、次のお芝居の稽古が始まります。
同じメンバーで同じ内容でと延期した公演ですが、
メンバーも変わり、
戯曲の中身が、ゼロベースでまったく別モノに変わりました。
発端は、モデルのおふたりが去年の作品に関して、
強い違和感を伝えてくださったことでした。
それは、いろいろな要因があって、
ひとことでまとめられる話ではないのですが、
おふたりの思いを聞き取りし、
こちらの創作についての考えもお伝えし、
もう少し繊細な問題にも踏み込んでお話ししました。
そのうえで、追加でいろいろなお話を聞いたのが、
今年に入ってからです。
またわたし自身も、
去年からコロナ禍のなかふたつの作品を作りました。
その前の自分とは、
細胞が入れ替わってしまうようなできごとで、
同じ作品を同じ気持ちではできないな、と思ったのです。
もっとパフォーマンス色の強いものを用意していましたが、
いま描きたいのはドラマ。対話。
繊細でミニマム。全員が相手役に踏み込めないと
成立しないお芝居が書きたい、
というのが7月時点の率直な気持ちで、
でもいざ書き始めようとすると、
30年を描くという構想と、
自分がいま書きたいものが一致しなくて、
ただただ無為に考えるだけの日々が続きました。
まあでも無為じゃないんですよね。
ただ文字になっていないだけで。
あるとき、すべてがドラマで対話劇だけど、
時空を飛ばして30年を疾走していく、
ある構造が見えました。
それはいままでやったことがない手法で、
いけるかな、できるかな、
と思いつつ書き始めました。
最初はなんだかほんとにタイヘンで、
書いてるだけで息切れするくらいタイヘンでした。
たぶんものすごく集中すると息してないから。笑。
紙のうえなのに物語が疾走しはじめた瞬間のことは
よく覚えています。
そこからは一気呵成でした。
また集中しすぎて、そしてスピードが速すぎて息切れです。
hedge1-2-3はほとんどパーソナルを書かない物語でした。
全編通しても、家族の話も、ともだちの話も
ほとんど出てこないです。
会社というパブリックな場所だけで展開し、
でもとうぜんそれぞれにはライフヒストリーがあるはずで、
そこは裏に隠された部分でした。
滲ませながら、演じる俳優たちに助けられました。
今度は真逆です。
パーソナルだけしかありません。
どうやら学生らしい、とか、
どうやら会社員らしい、とか、
そのくらいはわかるようにできてますが、
彼らがソーシャルシーンでは隠している、
隠さざるえない、
プライベートのなかでも、
だれにでもは見せることができない、
最深部だけを抽出して、物語にしていきました。
まだ稽古は始まっていないのですが、
10人の登場人物たちが、
出演してくれる俳優たちの姿で、
動き出しているのを感じます。
物語が稽古場で待っている気がするんです。
シビアな現実は書かれていますが、
それでも人と人が求めあうのは美しい。
そんな物語にしたいです。
いまこの時も、どこかで、
誰かがそんな時間を生きてる。
少なくとも戯曲に関しては、
時間をかけて、
書きあげた戯曲を丸ごと捨てて、
新しく書いたことが、
たぶん正解だったと言えるし、言いたいです。
秋の真ん中、
わたしの大好きな、といまの段階で言ってしまうけど、
そうたぶん大好きになる
大好きになれないと成功とはいえない作品に
どうぞ会いにいらしてください。
伊藤さんと簗瀬さんにも読んでいただき、
気に入ってくださいました。
ホッとしました。
専門的なところも監修をしてもらい、
直しを入れたよ。万全。
あ。あと。去年作った歌2曲は、もちろん歌います。
ほかにも、歌、あります。
後藤浩明さん、生演奏。贅沢。
serial numberは、どんなときも
どんなお話でも、
エンターテインメント、です。
チケットは9月18日(土)10時~に発売開始です。
感染拡大をジッと見続けていたので、
いつもの優先予約さえ設定できず、
一般発売として開始です。
そして状況見て増やせるかもですが、
現段階では客席数がとても少ないです。
作品の情報はコチラ。
劇場でお会いできたら嬉しいです。