日本アカデミー賞

昨日ありました日本アカデミー賞で、
優秀脚本賞をいただいていて、
最優秀は逃しましたが、
最優秀作品賞をいただきました。
シム・ウンギョンさんが最優秀主演女優賞、
松坂桃李さんが最優秀主演男優賞でした。
個人賞よりなにより作品賞はこの映画に関わった
全てのひとのためのもので、
そういう意味でほんとうに嬉しく思います。

映画の世界は初めてでしたが、
それにしても異例というほどたいへんな現場で、
むしろ知らなかったから最後まで頑張れた、
とも言えると思います。
脚本に名前を連ねている高石さんには、
プロット立てや、
エンターテインメントへと変えていく
プロセスを助けていただき、
彼がいなかったらかたちにならなかったと思います。
感謝しかありません。

そして藤井監督は、社会派映画というもののひとつの
概念を壊したと思います。
スピーディなカット、
飽きさせない編集、
スタイリッシュなその在り方は、
社会派映画のひとつのあたらしいかたちを
創ったのではないでしょうか。

映画の脚本は、名前を連ねたひと以外にも
たくさんのひとの意見や思惑をひとつの物語へと、
昇華していかなければなりません。
そんななかで、
わたしひとりではぜったいにこんなふうには書けなかった、
というところと
わたしひとりならぜったいにこうは書かなかった、
というところが混在し、
前者を思うと脚本家です、とは胸も張れず、
後者を思うと、これを自分の作品ですと言えないな、
という気持ちも多少はあり、
なので、最優秀作品賞というかたちが、
いちばんいちばん嬉しいかたちの最高級でした。

表現しすぎない品のよさで
主演俳優はかくあるべきだな、と思わせてくれた
松坂桃李さんはとてもとても素晴らしかったです。
彼がいたことで全国区の映画になった。
感謝は絶えず、ますますのご活躍を祈ります。
わたしごときが祈らずとも、
その勇敢な作品選びが象徴するように、
日本を代表する俳優になることと思います。

そしてシム・ウンギョン。
いつもウンギョンと呼んでいるので、ここでも
ウンギョンと呼ばせてください。
ラフ編集のようなものを見せてもらったときに、
彼女のファーストアップで胸がいっぱいになりました。
わたしは裏設定もぜんぶ知っていて見ていますから、
父を亡くしていることの傷
新聞記者という仕事に対する思い、
頑固さ、融通のきかなさ、
前しかむいていない意思の強さ、
それをこんなひとつのカットだけで表現できるんだ、
と驚いたからです。

今年の映画だと「蜜蜂と遠雷」がほんとうにわたしは好きで、
ファーストカットでこれは邦画を超えたな、
と思いましたが、
ウンギョンのファーストカットは、
いままでの邦画を圧倒的に超えてくるものだ、
とわたしは思いました。
俳優が演じるということの意味を教えてくれた。
韓国の俳優はほんとうに凄い。
ふだんはシャイで謙虚で、
いたずらな男の子みたいなウンギョン。
彼女が日本で演じたいと思ってくれているあいだに、
もっともっといい映画にたくさん出てほしいです。

昨日のアカデミー賞は、無観客で行われました。
受賞者であっても熱発があれば入ることができません。
その状態こそが時勢です。
ひとつの流行病が流行っている、
その結果ということだけではないと思います。

そんななかで行われた日本アカデミー賞で、
この映画が賞を獲った意味は大きいと思います。
その映画を牽引したのは河村プロデャーサーの志しです。
欠点もある映画とも思いますし、
河村ブロデューサーはいつも全力で走るトラックのようなひとで、
まわりはほんとうにタイヘンなのですが、
志しをぶらさないことの大切さを学ばせていただきました。

たくさんの方から過分なお祝いの言葉をいただきました。
このブログで感謝に変えさせてください。
ほんとうにありがとうございました。

詩森ろば
serial number(風琴工房改め)の劇作家・演出家です。

3件のコメント

  1. アカデミー賞読ませて頂きました。
    何だか私が言いたかった事全てです。
    松坂桃李さん押しですから勿論新聞記者は自分では珍しく3回見ました。
    彼は良いですね。何処まで行くやら。
    賞を取らなくても応援しますがやっぱり嬉しいです
    最後に
    私も蜂蜜と遠雷大好きです。助演男優賞にも値する
    益々ご活躍下さい。

  2. アカデミー賞を読ませていただきました。
    紫の色無地の着物とヘアースタイルはアカデミー賞の中で一番素敵どと思ってました。
    松坂桃李さん押しですから受賞しなくても応援しますがやっぱり嬉しいです。俳優魂何処迄行くやら楽しみです。多分今迄にない何処に行くかも。
    お身体に気をつけて益々ご活躍下さい。

  3. 詩森ろば様
    おめでとうございます。
    映画は拝見しておりました。すっごく衝撃的な映画で、旦那と語りました。
    いい映画をありがとう!

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