さて。今日は超大はしゃぎになります。
いや、それはちょっと、という方はここで引き返してくださいね。
仕方ないんです。
バルセロナからエクスプレスで1時間20分ほどのところに、
フィゲラスという街があります。
そこは、ダリの生まれ故郷。
ここには、ダリ劇場美術館 という、
ダリの美術館があるのです。
ここに行きたいがために、バルセロナ滞在は長めにとっていました。
フィゲラスだけならいいんですが、
わたしにはもうひとつ野望(というほどでもない)がありました。
ダリがガラと晩年を過ごした自邸。
卵の家に行ってみたかったのです。
そこは、フィゲラスからさらにバスで一時間ほどの
カダケスという港町にあります。
バスが一日3往復くらいしかないので、
バルセロナから日帰りはけっこう大冒険。
何度も何度も、バスの時間、そしてエクスプレスの時間、
そして美術館と家の予約の時間。
どうするのがいいかシミュレーション。
ほんとにこのプランで行って帰ってこられるか不安すぎて
どうして田島さんに国際免許を取っておいてもらわなかったかな、
と後悔したくらいです。
まあバルセロナからオプションツアー的なものが出てる気がしますが、
そういうのって超高いからね。
いま調べたらひとり230ユーロですって!!
個人でがんばれば、ぜんぶで80ユーロくらい。
サイトには、個人で行くのはムリって書いてたけど、
やればやれる!!やったから!!わたしは!!
というワケで行ってまいりました。
フィゲラス&カダケス。
結果から言うと、一泊してもいいから行ったほうがいいよ、
とオススメしたいです。
楽しすぎました。
朝。バルセロナ・サンツ駅というところからエクスプレスに乗ります。
早めに行きましょう。
なぜならエクスプレスに乗るには荷物検査があります。
わたしのときは、なにかのスポーツの大会に行くらしき
高校生たちとかち合いました。
改札抜けるまですっごい時間がかかった。
電車も予約できるので予約しておいたほうがいいです。
チケットを現地で買おうとするとシステムとか言葉の壁に阻まれて
買えないことがあるのでね。
とは言え、バルセロナは、
機械化されたのが遅かったのか、
エスカレーターもゆっくり安全(ロシアとか凶器に近い)だし、
地下鉄も次の駅はここだよ、って電光表示してくれるし、
日本に近い感覚で移動できます。
で、移動しまして、フィゲラス・ヴィラファント駅へ。
ここも注意点。
フィゲラスにはローカル駅であるフィゲラスと、
エクスプレス駅であるヴィラファントがあります。
そのあいだの距離は徒歩で40分くらいではないかと。
新幹線駅は離れてるみたいなカンジです。
で、ダリ劇場美術館は、ヴィラファントから徒歩30分近くかかります。
ちなみにフィゲラスからでも15分くらいです。
バスに乗ろうとしたら歩いたほうが早いよ、と言われたので歩きます。
これは内部で撮った写真ですが、
とつぜんこの卵が飾られた、そしてパンが張り付けられた
赤い壁が見えてきたら、そこが劇場美術館です。
ダリ劇場美術館は、
ダリが生きているあいだに開館した美術館です。
有名な絵画はそんなにたくさんは置いてありませんが、
ダリ自身による遊びこころ満載の、
それはそれは楽しい美術館です。
もともと劇場だった場所を美術館にしたそうですが、
展示もまさに劇場。
この場所を与えられてイマジネーションが湯水のように
湧きあがったダリの躍動する姿が、
そこかしこに踊っているような楽しい美術館です。
こんな美術館、初めて行きました。
ダリはここの広場みたいなホールの真ん中に、
観光客たちに踏みしだかれるようなカンジで埋葬されています。
幸福な人生だなあ。
入った正面にこんなオブジェ!
ドーン。
車の上部にある彫刻を裏から見たところ。
垂れ下がっている!!なにかが。
フランスパン!!
ダリといえば、フランスパン!!
全体のフォルムもナゾめいてますが、
細部に蟻。
こういう楽しい展示物が、あっちにもこっちにも、
誰も見ないかもしれないようなところにも、
展示されています。
そういうダリもピカソ同様、
アカデミズムな意味でも素晴らしい技術のある画家でした。
これは、ガラのうしろ姿。
ガラはご存知とは思いますが、
友人から略奪した、
ダリが生涯をかけて愛した妻です。
ダリの絵の女性はほとんどガラがモデルです。
これもガラのうしろ姿と、それを描くダリの手。
この絵は超巨大です。
その絵を観てる人たちの足元の一部、
床の色が違うのがわかるでしょうか。
ここがダリのお墓です。笑。
気づかず踏んでるひと、たくさんいそうです。
ひとつひとつはふざけてるのかな、というような
自由闊達な作品ばかりなのですが、
創作姿勢はいたって真面目で、
アートをすごく愛していて、
特に晩年は、コンセプトに敬虔なキリスト教者としての
思想があることもわかりました。
現地まで行ってみて、
コマーシャルで、資本主義的な成功を是とし、
奇矯な変人と思っていたダリの別の顔を見た気がします。
そして、どんなに人気取りしたくても、
誰もこんなこと思いつかないよね、
という真の天才だということもわかりました。
奇を衒えばこんなものができるなら誰も苦労なんてしない。
ダリのせいでココロが開放されて、
自由に暴れるわたし。
やっぱりワニが好き。
押さえきれずダリとともに躍動するわたしと、
躍動を強制された田島氏。
そして、わたしたちは、今度はフィゲラス駅に向かい、
カダケス行きのバスに乗りました。
カダケスはフィゲラスに生まれたダリが、
少年時代、毎年避暑に訪れた場所だそうです。
都会の喧騒を離れアトリエを持とうと考えたときに、
ここカダケスがいいととつぜん浮かび移住したそうです。
というわけで一路向かったわけですが、
これがもう信じられないような山道。
こんなとこ、こんなデカいバスでヘーキなの、
というようなところです。
運転荒いし、いのちの危険すら感じました。
乗り物ダイジョウブなわたしもだいぶ酔ったので、
酔いやすい方は酔い止め必須でしょう。
片道1時間ちょっとですが、カダケスは保養地なので、
バカンスの季節は、この道が渋滞でたいへんな
ことになるようです。
なのに、ポール・リガト(卵の家)は、
完全予約制なうえに、入る時間の30分前までに
受付するのがマスト。
しかもバス停から20分くらい歩きます。
→どこでも徒歩で行くわたしたち。
遅れるとあとの時間に回されたり、
いっぱいすぎたら入れなかったりすると聞いたので、
緊張しましたが、
13時30分のバスに乗って、14時50分カダケス着。
15時20分の締め切りに意外にギリギリでした。
ハイシーズンに行く場合は、カダケスで一泊するくらい、
余裕のある旅程を組んだほうがいいかもしれません。
美しい青い海とステキなレストランもたくさんある、
いい街ですから。カダケス。
これはカダケスの街をポール・リガトへ向かい歩く道。
明るく光りに満ちていて、
歩いているだけで楽しいです。
30分は海辺でボンヤリタイム。
これがとにかくいい時間。
で、時間が来たらいよいよ入場です。
10分置きに、たぶん10人くらいづつ。
ガイドさんがついてくれるのですが、
その方、ステラおばさんのクッキーのステラさんみたいな
ホノボノした外見の方なのですが、
スペイン語、フランス語、英語を扱うトリリンガルでした。
わたしのときは、
スペイン語のひと、フランス語のひと、
そしてわたしたちが英語と、
大車輪でした。
すごーい。かっこいい!!
有名ですが、入るとまずこのひとがいます。
ああ。わたし、ダリの家に来たんだ、
と誰もが実感するに違いありません。
リビング。
しかし抜かりなく羊のはく製が!!
そしてどうしてもはく製は撮りたいわたし。
掲載するにあたってはだいぶ遠慮しましたが、
自分でもどうかと思うくらいの
はく製の写真がi-phoneに残されていました。
なのに綺麗な海の写真とか、
白いリゾート地なカダケスの写真とか、
インスタ映えする写真がほとんどありません。
ベット。美しすぎる。
ダリの多彩な交流の記録である写真のなかに、
ダリとデュシャン。
地味に興奮するわたくし。
そうそう。ダリってあのヒゲの写真のイメージが強いですが、
若いころは信じられないくらいイケメンなんですよね。
奇人変人と言われてますが、
友人に対してはきめ細やかな常識人だったそうです。
シューレアリスムの鉄人、ブルトンに、
「ドルの亡者」となじられましたが、
じっさいのダリは、
資産の管理はガラに任せっぱなし、
お金がなくても友人には貸してしまうという、
そんな人だったそうです。
カダケスからまたバスでフィゲラスへ。
フィゲラスからフィゲラス・ヴィラファントに
30分で移動しなければ帰りのエクスプレスに
間に合わないのがいちばんの心配でしたが、
タクシーの運転手さんが文字通りぶっ飛ばしてくれまして、
10分前に駅に到着。
なんとかバルセロナまで帰ってこれました。
これもオフシーズンだったから可能だったのでは、と思います。
行った場所がリゾート地ということもあり、
旅のフィナーレに相応しい小旅行でした。
楽しかったです。
ダリはバルセロナで堪能することはできないので、
ぜひフィゲラス&カダケスへ。
明日は、いよいよバルセロナへと来た理由。
ガウディについて書きます。
読んでくれてありがとうございます。
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